人生初の在職エントリー

この記事は10Xアドベントカレンダー2024の22日目の記事になります。
昨日はSREの栗原さんが、Google Cloud IAM一時付与システムを「作らなかった」話という記事を公開しています。


こんにちは。10X 在籍1年目のQAエンジニア、こじしょー @KojiShaw です。
私の10Xの推しポイントは「オープンチャンネルが多く透明性の高いSlack環境」です。

実は今日、誕生日を迎えました。新しい1年に新しいチャレンジということで「人生初の在職エントリー」と題して、1月に10Xに入社してからのこの1年を振り返ってみたいと思います。(記念すべき初めてのブログ記事執筆です。)

入社の経緯

QAエンジニアとして

わたくし、QAエンジニア(以下、QAE)を名乗っておりますが、社会人キャリア16年半の中でQAEとしてのキャリアはまだ4年半です。前職からこの職種で働いています。

そのきっかけを作ってくれた一人が、アドベントカレンダー9日目に10Xに入って1年半でやったこと・感じたことという記事を公開しているブロッコリーさんです。前職の一次面接官の一人だったブロッコリーさんにより、私のQAEとしてのキャリアの扉は開かれました。

キャリアの転機・人生の転機

2022年の後半頃から、組織変更や異動が重なって求められる役割が大きく変化したり、一緒に働きたかった同僚が異動や卒業で離れてしまったりして、先々のキャリアについて考えざるを得ない状況になっていました。

さらに、年齢的にも節目を迎え、この先5年〜10年で起こるであろうライフイベント(身体の変化・生活の変化)にも自然と向き合うようになりました。コロナ禍が終息し多くの企業で出社回帰の動きが活発になる中、都心に住み続け都心に週の半分以上出社するフルタイム勤務に耐えうるのか不安を感じ始めた頃でした。

社内外の先輩・知人・友人に相談を重ねていたそんなとき、ブロッコリーさんが何だか楽しげに働いていそうだぞ、ということを聞きつけ、ご連絡してカジュアル面談をしてもらいました。

すると、私の好きなことに近い事業領域*1、噛みごたえありそう*2なプロダクト、QAEとしてやりがいがありそう、中長期で長く働けるよう配慮された制度がありそう...と10Xの魅力にグイグイ引き込まれてしまいました。

選考過程でQAEだけでなく、SWE・PdM・Designerにそれぞれインタビューする機会をいただき、そこで皆さんが品質に対しての思いや課題感を自分の言葉で語れること、QAEが求められていることを実感したことも大きかったです。

そして2024年1月、私も10XにJOINすることになりました。

開発体制と私が所属するチーム

10Xではドメインベースの開発体制を採用しており、ドメインごとの開発チームがあります。QAEは品質管理チームという横軸の組織に所属しつつ、各開発チームの中に入り込んで各チームの品質に関する幅広い業務を担います。

私は入社〜2024年3月までの3ヶ月はお買い物チーム、その後4月以降は店舗チームで活動しています。店舗チームはお買い物チームのドメイン領域を分割したチームなので、入社以来同じチームを担当していると言えます。

店舗チームはパートナーの店舗がネットスーパー・ネットドラッグストアを運営する上での各種管理機能を扱っています。例えば、お客様へ何時から何時までに商品をお届けするか・何件の注文を受け付けるかなどを定義する「注文枠」を作成や、その店舗からどの地域に配達するかを定義する「配達エリア」の登録などです。

入社当時の状況

お買い物チームに入った当初、既にチームには2人のQAEがアサインしていました。ただ、チームとの関わり方は以下のようになっており、もっと融合できる・もっとスクラムを組む ONE TEAM になれると感じました。

  • QAEのタスク状況はQAEのみが参加するQA朝会で会話され、チーム朝会(daily scrum)では必要なとき以外は特に報告していない
  • QAチケットのボードはチームボードと分かれている
  • Planningには参加せず、Planningの結果を後から把握してQAEのタスクを振り分けている
  • (全てのスクラムイベントに参加していないので)輪番で担当するスクラムイベントのファシリテーターもやっていない、ちょっとゲスト参加者っぽい

SWEとQAEのコミュニケーションは問題なく取れていますし、テストに必要な情報も双方向にやり取りをしながらきちんと取得できていて、問題が起きているわけではありません。

でもなんとなく、開発チーム内に専門のQAチームが別にあるような感じです。

この1年でやったこと

その1:QAEも含めた ONE TEAM を目指す

QA独自の活動をなくし、チームの活動に統合

まずはQA朝会を残しつつ、チーム朝会でQAの状況を報告することから始めました。

QAの状況をチームに伝えることで、特にEM(スクラムマスター)がQAタスクも含めたチーム全体の最適化をしやすくなるのではないか...

などと堅苦しい理屈を書くこともできるのですが、もっとシンプルに、朝会の場でQAEの存在感を出そうと思いました。それ以前も必要があれば朝会の場でQAEとSWEの会話はありましたが、アジェンダとしてファシリテーターが話を振ることで全員の注意が向き、そこにQAEがいる実感が生まれるのではないかということです。

また、お買い物チームから店舗チームに移行するタイミングでQAチケットをチームボードに統合し、QA独自ボードは廃止しました。SESで参画いただいていたQAEの方との確認用にQA朝会はしばらく残していましたが、その方の離任に伴い廃止して、今はQA独自の活動は残っていません。

Planningを含めた全てのスクラムイベントに出席する(ファシリもする)

Planningに参加せずにバックログだけ見ていると「どういう意思決定で開発着手するチケットを決めているのか」や「チケット同士の(隠れた)依存関係」などの計画に至る背景がわかりにくく、SWEとQAEの間でチケット毎の具体的な内容だけではない、もっと深い部分の認識の共有がしづらいと感じていました。

また、上述の背景がわからないことで先々の見通しも立てづらく、開発の早い段階からQAEが関わり、テストフェーズ以外のフェーズでもテストする取り組み*3に繋げにくいという課題もありました。

そこで、QAEもPlanningに参加するようにしました。これにより計画の背景が見えやすくなったのはもちろんのこと、Planningの段階でQAチケットについても必要に応じて会話できるようになったので、SWEも品質やテストに目が向きやすくなったと思います。

同時にスクラムイベントのファシリテーターのローテーションにQAEを組み込んでもらいました。チームの一員として役割を担っている意識にもなりましたし、ゲスト参加者っぽい雰囲気はなくなりました。

その2:開発のより早い段階からQAEも関わる

店舗チームでは今年、配達エリア移管機能という大物の機能開発に取り組み、12月初旬にリリースを迎えました。

この機能開発ではQAEを要件定義フェーズから巻き込んでもらうことができ、テストフェーズ以外のフェーズでもテストする取り組みを形にすることができました。

PdM、Designer、SWE、QAEが集まりオフラインでホワイトボードを使って議論しながら要件を固めていく場は長時間を要し、大変でしたが達成感があり熱かったです!

この場を通じて機能への解像度が高まっていたので、QAEのテスト分析は開発の初期段階で終えていました。その内容をSWEが機能を作り込む前にお伝えできたので、QAEが気になったポイントは機能開発を進める段階で取り入れられ、開発完了後のテスト指摘や手戻りをかなり抑えることができました。また、SWEがテスト内容を把握して事前に基本的な確認を行なってくれたので、テストフェーズでは複雑なパターンやエラーパターン、特殊なケースの不具合に集中でき、効率よくテストができていたように見えました。
(私は要件定義フェーズまで参加し、QAテストは別のQAEメンバーが担当しました。)

配達エリア移管機能のほかにも、複数の新機能開発の施策でこのような取り組みができ、早い段階からQAEを巻き込むことが店舗チームの型となって定着したと感じています。

その3:プロジェクト振り返りの企画・運営

上述の配達エリア移管機能は8ヶ月超というかなり長期に渡るプロジェクトとなりました。このようなプロジェクトでの学びを次に活かすべくプロジェクト振り返りが企画されたのですが、その振り返りでどのような手法を用いるかの提案や、その準備作業を 勝手に 引き受けて進めました。

振り返りは店舗チーム全員(SWE&QAE)、担当のDesigner及びPdM、さらに品質管理チームのEMとしてブロッコリーさんの総勢10名が参加予定です。しかし、全員が8ヶ月もの間、同じ密度・強度でプロジェクトに関わっていたわけではありません。途中からチームにアサインしたり、逆に関わりが薄くなったりしたメンバーもいます。このため、通常のスプリントレトロスペクティブで採用しているKPTだと個人間の認識の差が大きすぎ、チームとして振り返りにくいという懸念がありました。

そこで、タイムラインを用いた振り返りを採用するとともに、小チームに分かれたインタビューのプラクティスを取り入れることにしました。タイムライン上の付箋についてその要因やきっかけとなる出来事などを参加者同士がインタビューすることで、全員が共通認識を持った上で振り返りができるようにする狙いです。

...本来であればこの下に、その振り返りの様子を収めた写真を載せたり感想を書いたりしていた筈でした。しかし、私が直前にA型インフルエンザに感染し、出社できなくなったためリスケとなりました!!ああぁ...。

開催がこの記事の公開後になってしまい間に合わなかったのですが、こんな間の悪いタイミングで感染した私も参加すべきだからとリスケしてくれたチームには感謝しかありません!

この1年の満足度

この1年の満足度はかなり高く、とても良い形で1年を終えられそうです。

上述の通り、QA目線でチームに良い変化があったというのはもちろんですが、何よりそれを支えてくれる10Xのヒトに助けられました。

まずは店舗チームの皆さんです。私のような主張の強いQAEを受け入れてくれました。随分とグイグイ首を突っ込んでくるQAEだなぁと思われたと思いますが(笑)、とにかく ONE TEAM になってテストフェーズ以外でもQAEが当たり前にいるようにしたかったので、自分がわかりそうなところ・できそうなところにはとにかく首を突っ込みまくっていました。

そして、通常業務では関わることの少ないBizDevやCorpの方々。冒頭の推しポイントでも書いた通りオープンチャンネルが多いので、BizDevの皆さんの粘り強い仕事ぶりも、Corpの皆さんの心配りもSlackから知ることができて、勝手に他職種との距離がとても近いと感じていました。スタンプでリアクションするなどして距離感を縮めていたのでたまに出社した時や飲み会がある時に会話しやすく、10Xに馴染むことができました。

さらにはなんと、10Xを卒業した方々とも飲み会を通じて知り合うことができました。たまにカラオケに行くなど仲良くしてもらっています(笑)。

これだけ人の繋がりが広がることはあまりない経験で、今年はそのありがたみを痛感する1年となりました。

終わりに

なんだかめちゃくちゃ調子が良いまま何の曇りもない1年だったような文章になっていますが、実は一時は自分が価値が出せているのか、どう貢献できるのか不安で相当悩んだりもしました。悩みすぎて、一旦自分のできることを愚直にやろう、あんまり深く考えずにたまに自分を甘やかそう、そんな力加減も身につけて年末を迎えています。

2024年、なんとか走り抜けることができました。来年は他のチームでも何かしら良い変化を起こせるQAEでありたいな、と思うのでした。


10Xではメンバーを募集しています!採用ページもぜひご覧ください。
明日はビジネス本部の佐藤さん(kiyoseさん)が記事を公開する予定です。お楽しみに!

*1:料理が好きで、スーパーマーケットや八百屋・魚屋で食材の買い出しをするのが人生の喜びなのです。

*2:SIの基幹システム開発畑が長かったので、普段知ることのない企業内の業務オペレーションとプロダクト仕様が頭の中で繋がると高揚します。

*3:10Xが目指すQAの姿については少し古いですが、こちらの記事に記載があります。