10X の CX (Cool Experience) チームの @metalunk です!
この度、CX チームのバックエンドエンジニアの求人をはじめました。
このブログは当ポジションの魅力を紹介するための文章です。
その中で、CX チームがこれまで上げてきた成果、それらの成果を上げられた理由、いま抱えている問題、それを解決した先に目指していること、をお伝えできたらと思います。
CX チームとは
CX (Cool Experience) チームは、検索、推薦、MLOps、数理最適化の技術的専門性を活かしてさまざまな領域の問題解決をする(Cool な Experience を提供する)チームです。
一見すると研究開発チームのように思えますが、実際は PoC に留まらず、本番にリリースして運用するところまで責任を持っています。(だから良い設計ができるバックエンドエンジニアが必要なのです)
CX チームはつい最近(2025年11月)まで CX (Customer Experience = お客さま体験) チームと名乗っていましたが、略称はそのままに正式名称を Cool Experience チームに変更しました。
改名によって解決したかった問題は、1. やっていることに名前がしっくりこない問題、2. 名前によって取り組む問題の領域が狭まる問題です。
これからは名前の通り、お客さま体験に限らず、様々な領域で Cool な Experience を実現することを目指します。
例えば
- 欲しいものがちゃんとヒットする Cool な検索体験
- 買ってみたいと思う商品が推薦される Cool な体験
- 効率的な配車ルートを計算してくれる Cool な配送計画
- AI と一緒に買い物をする Cool な体験
などです。
ちなみに: 略称が変わらないので Slack チャンネルも Terraform のいろんなリソースも変更不要な、Cool な改名でした!
これまでよくやってきた
CX チームは PdM、デザイナー、QA、クライアントエンジニアを兼務で抱える最小構成のチームであり、バックエンド(検索、推薦、MLOps、数理最適化を含む)エンジニアは2名しかいません。
そんなチームがこれまで作ったり、いまオーナーを務めているものは次のとおりです。
- ネットスーパーの商品検索システム
- ネットスーパーの商品推薦システム(現時点で7個の推薦機能)
- ML 基盤(現時点で14種の ML pipeline)
- Stailer TMS (Transportation Management System) の配送計画システム
このとおり、少人数でたくさんの機能を作ってきました。
また、ただ作るだけでなく運用もしており、その運用体制もかなり健全なものだと思います。それを表す事例を挙げてみると
- CX チームがオーナーを務めるあらゆるシステムのエラーを Slack のチームチャンネル(アラートチャンネルじゃない)に流している
- つまり: エラーが少なく、オオカミ少年化しない状態
- アップデートが放置されているシステムがない
- Python, Elasticsearch のアップデートは定期的に実施されており、サポート対象バージョンを利用している
- Renovate によってセキュリティアップデートを含むライブラリアップデートを拾い、定期的にバージョンアップしている
- (スタートアップにしては)高い強度でセキュリティ対策を実施している
- e.g. Elastic Cloud で Deployment を作ると自動で作られる
elasticuser の認証情報をすべて別々の API key で置き換えて、elasticuser の使用を終了した - e.g. GitHub Actions のいろんな token を Octo STS の token で置き換えた
- e.g. Elastic Cloud で Deployment を作ると自動で作られる
自画自賛になりますが、バックエンドだけに限って見ても、この数のシステムの構築と健全な運用を2人だけで実施しているのは、よくやっていると思います。
自分の10年ちょっとのソフトウェアエンジニア人生の中でも、新機能開発と運用がこれほどの少人数でうまく回せているチームは見たことがありません。
なぜこれが実現できたのか
1. いいバランスでの基盤への投資(10x から逆算の文化)
ものを作るときにどれくらい基盤を作り込むか、どれくらい拡張性を持たせるか、どれくらいスピードを重視するかは往々にしてトレードオフの関係にあります。
CX チームは ML 基盤、インターリービングテスト等の検索改善の基盤などの “基盤” を作ってきました。振り返ってみると、チームは基盤を作りながらも良い速度での開発を継続することができていましたし、積み上がった負債もないことから、これらの基盤への投資はいいバランスだったと思います。
これはメンバーみんなの経験を活かして、いいバランスの取り方をできていたこと、10X Values のひとつである「逆算する」を体現できていたことによって成し遂げられたのだと思います。
2. システム設計の良さ(保守性、運用自立性、拡張性)
良いシステム設計ができていたからこそ負債が積み上がらず、いい開発速度を維持できているとも言えます。
具体的には次のような性質を獲得できていました。
- 保守性 = 低コストで少人数でメンテナンスし続けることができた
- 運用自立性 = 日々の運用で必ずしもエンジニアに頼む必要がない
- 拡張性 = ML pipeline, 推薦機能をどんどん増やせる
3. クラウドサービスの進化
近年の開発環境の進化は、メンテナンスコストを低く抑えることに大きく寄与しています。
例えば Vertex AI Pipelines, Elastic Cloud, GitHub Actions, Kubernetes などのおかげで、バックエンドエンジニアがインフラの面倒を見るコストは減少しました。
4. いいメンバー
大きな成果を上げられたことは、素晴らしいチームメンバーたちのおかげです。
最高なプロフェッショナルたちがいる、働いていて楽しい環境です!

それでも運用業務が逼迫してきた
以上の通り、少人数で多くのシステムのオーナーを務めながら新機能開発もしている、いい状態なのですが、最近は運用業務の割合が増えてきました。
ここでの運用業務とは次のようなものです。
- アップデート(Python, Elasticsearch, ライブラリ)
- Renovate によってキャッチされているアップデートを定期的にまとめて反映する仕事
- セキュリティ対策
- セキュリティチームが実施を決めたセキュリティ対策に追従する仕事
- 細かい改善
- e.g. ML pipeline の定期実行を GitHub Actions schedule から Kubernetes CronJob に移行
- e.g. Elasticsearch への同期ラグを短縮する
- e.g. シノニム辞書の追加
これらの運用業務はいくらシステムの品質が高くても発生する種の業務であり、システムの数が増えるに従って単調に増加します。
しかし、増える速度を抑えることはできるはずで、その工夫を施しながら運用業務とうまく付き合いつつ、新機能開発も進めたいと思っています。
今回の求人では、運用業務と新機能開発の両立を実現するような、システムの安定稼働とスケーラビリティ向上をリードしてくれるエンジニアを募集しています。
この先の展望
運用負荷の割合が大きい問題を解決できたら、その先ではより高い検索精度の実現、新しい推薦機能の実現、数理最適化の新たな応用、LLM を利用した機能の実現を目指しています。
この開発には今回の求人によって入社するメンバーにも貢献していただきたいと考えているので、入社時点では検索や推薦などの専門性がなくとも、業務の中でキャッチアップしてもらいたいです。
ですので、求人票にも応募の必須条件にはバックエンド開発のスキルだけを書いており、歓迎条件として検索、推薦などの専門性を並べ、その上で “求める人物像” に「将来的に検索、推薦、MLOps、数理最適化の分野でも貢献する気概がある方」としております。
気概がある方、ぜひお申し込みください!
スタートアップのすすめ
10X の CX チームは少人数で高速に問題解決をするスタートアップらしさと、高い品質のソフトウェアを作る成熟感のどちらも兼ね備えており、自分はとても気に入っています。
個人的な経験として、ソフトウェアエンジニアの人数が500人のメガベンチャー、50人の未上場企業、2人だけの創業したてのスタートアップまで、いろんなサイズの会社とチームを経験しましたが、10X の CX チームはいいバランスで居心地が良いです。
比喩として、大型客船を動かす多くの船員のうちのひとりよりも、2人でヨットを動かすうちのひとりの方が自分に合っているのだと思います。ヨットでしか辿り着けない場所がありますし、ヨットを操縦するのも最高に楽しいです(大学時代にヨット部で散々ヨットに乗せてもらっておきながら夏休み前に辞めちゃったんですけど…)
ただし、居心地がいいと感じるバランスは人によるものなので、この記事を読んで興味を持ってくださった方はぜひカジュアル面談でお話しさせてください。その過程でご自身に合いそうか考えてもらえたら良いですし、選考プロセスの中には「お互いに一緒に働けそうか」を確認するためのトライアル選考があります。
また報酬面でも、ストックオプションは魅力的です。
ストックオプションによって会社の成功と自身の資産の成長をアラインすることで、身銭を切って会社に貢献できます。身銭を切らないと得られないものがあると思います。
おわりに
CX チームで働くのは楽しいのでオススメです。いいソフトウェアエンジニアに入社してもらって、日本のネットスーパーをもっとよくしたいです。
少しでも気になった方はぜひカジュアル面談をさせてください!
こちらのリンクから「カジュアル面談を希望するポジション」に「バックエンドエンジニア(検索、推薦)」と書いてお申し込みください!