1人目のSETが話す10XのQAの今と今後

はじめまして。 2022年4月に1人目のSETとして入社するtarappoです。

以前、10XにおけるQAエンジニア/SETの募集記事として次のようなブログ記事を公開しました。

ここからの変化として1人目のSETである私の入社が決まりました。 しかし私1人の入社で募集が終了というわけではなく、10XではまだまだQAエンジニア/SETを必要としています。

一緒に動いてくれる人を強く募集している状態です。

そこで本稿では、10XにおけるQAエンジニア/SETに興味を持ってもらえるように次について書いていきます。

  • 現在の10XのQAの状況
  • 入社が決まってからまずおこなったこと
  • 10Xとして目指す姿
  • 今おこなっていること
  • どのような人を求めているか

まず最初に現在の10XのQAの状況について説明をします。

その状況をふまえて、まず私が最初におこなったことがなにか。 10Xとして目指す姿と、それに向かって私が今おこなっていることについて説明をします。

そして最後に10Xではどのような人を求めているかについて説明したいと思います。

現在の10XのQAの状況

現在の10Xにおけるリリースまでの流れをテストというフェーズに注目して簡略化して書くと次のようなプロセスになっています。 ただし、現状リリースするものすべてがこのプロセスにしたがっているわけではありません。

現状のプロセス例

今はこの図にあるように開発後にテスト(手動テスト)をおこなうフェーズがあり、このテストが終わったらリリースをしています。 このテストの箇所は、以前と異なり社内のメンバーではなくて第三者検証会社の方がおこなっています。

第三者検証会社の方が入ってくれたことで以前と比べて、リリース前にバグが一定見つかりリリース後の品質はよくなったといえます。

しかし、この手動検証をおこなうテストのフェーズで解決すべき課題がいろいろとあります。 たとえば、テストのプロセスが整備しきれていなかったり、不具合の可視化もできていません。 そのため改善サイクルをまわせているとはいえません。

また、現時点ではこのフェーズでテストをおこなうぐらいになっており、他のフェーズにおいて初期品質を上げるといった活動はできていません。

現状としては次のような状況になっているといえます。

  • テストフェーズでのQC(Quality Control)のみに頼っている
    • しかしすべてのリリースをコントロールできているわけではない
    • テストの結果をもとに何かしらの改善活動が進んでいるほどではない
  • QA(Quality Assurance)についてのコミットがほぼできていない
  • 全体的にどのような状況になっているかの分析ができていない

この状況のまま進んでいくと今はまだそこまで表面化していないものの、たとえば次のようなことが問題になってくると考えられます。 むしろ一部においては問題になってきているといえるかもしれませんが、可視化ができていないため定性的な判断しかできないという状況です。

  • リリース前のテストがメインとなっており、バグの発見が本来みつけられるべきフェーズより遅くなってしまう
    • 仕様作成時点や開発時点でみつけられたかもしれないバグがリリース前のテストでみつかっているかもしれない
  • リリース前のテストが徐々に肥大化して、テストフェーズがボトルネックになる
    • 結果としてリリース前のテストでおこなえる範囲がさらに狭くなるかもしれない
  • テストフェーズに依存してしまい初期品質が徐々に悪くなってくる

これらの課題を対処するために、テストのフェーズに関わる人員をとりあえず増やしてリリース前のテストを人海戦術でおこなうようにするというのがとれる姿の1つです。

しかし、そのような場当たり的な対応だと一定期間は一部の課題において有効になるかもしれませんが、将来的に違う課題をうみます。

そこで、10Xにおいてはどのように進めていくかについて考えました。 次に入社が決まってからおこなったことについて説明をしていきます。

入社が決まってからおこなったこと

入社が決まってから週に数日だけ業務委託として働いています。 その業務委託の期間にどのようなことをおこなったかについて、説明をしたいと思います。

10Xの選考には「トライアル」というのがあります。 かんたんに説明すると、社内の情報にアクセスができる状態にしてもらった上で、10Xの業務の中でインパクトのあるイシューに対して取り組みをおこなってみるというものです。 トライアルについては次のブログに書かれているので読んでみてもらえればと思います。

私はトライアルで、「プロジェクトの品質」や「開発生産性」についての現状を把握するためにSWEのメンバーやその当時検証に携わっていたメンバー(PdMやCSの方)からいろいろと話を聞きました。

今の状態(プロセス、自動テスト、検証にまつわるいろいろな情報)を聞いた上でおこなうべき課題をリストアップして、なにもしないことによる今後考えられるリスクや取り組む場合の優先順位とその理由をまとめました。

なので、業務委託で仕事を進めていく中で最初はトライアル時点でまとめたことをもとに進めようと思っていましたし、実際少しだけ着手をしました。

しかし「10XにおけるQA体制がいろいろと整っていないという状態」と「そこまで手を動かす時間が私にない」という制約の中でリストアップした課題を進めるのは、10Xにおける変化のスピードに対してついていけずに、私自身がボトルネックとなります。

そこで、わたしが最初におこなったことは「今後の土台作り」としてのQA体制の構築のための準備でした。 その準備をおこない、少しずつ土台を整えていくことに注力をしました。

QA体制の構築のための準備と最初の一歩目

QA体制を構築するために、まず自分たちがどのような姿を目指すかといった最初のゴールが重要です。 そして、その目指している姿にするためにリードしていくQAに関わる職種の人たちの採用や体制づくりが重要となってきます。

そこで、まず「10XにおけるQAはどのような姿を目指すか」について考えました。

目指している姿をかんたんに説明すると次のような姿です。

  • (1)リリースの前のテストフェーズに頼るのではなくてさまざまなフェーズでテストができている
  • (2)QAに関わる職種のメンバーだけでなく品質をつくりあげていくのは「全員」であるというスタイル

これにより次を達成したいと思っています。

「より早い段階で問題をみつけフィードバックをして、より早い段階で解決できる」

そこで次にこの姿を目指すにあたってどのように進めていくかについて次を1つ1つ考えました。

  • どのような状態になっているのがゴールに近づいているといえるか
    • その状態になるためにはどのようなことをおこなう必要があるか
  • 進めていくにあたってどのようなQA体制が必要になるか
    • その中でどのようなメンバーが求められるか

つまり「10Xではどういう姿を目指していて」「そのためには何をおこなう必要があって」「それを進めるためにはどういった人が必要か」をまとめました。

これらのまとめた情報を、10Xのメンバーにも共有して協力してもらいました。 その中で、いろいろな方とカジュアル面談などもおこないました。

その結果もあり、今回1人目のQAエンジニアの採用が決まりました。 しかし10Xが目指す姿を達成するにはまだまだQAエンジニア/SETが必要です。

次に私が今おこなっていることや今後の展望を説明して、そのような中でどのような方を現時点で求めるかについて説明したいと思います。

今おこなっていること

上述したようにまず最初に「今後のQA体制のための土台づくり」をすすめました。

今は新たなメンバーが入ってきたときにバリューを発揮できるようにそれ以外のことも少しずつですが進めています。 主に次の3つのことをすすめています。

  • (1)データの可視化と分析
  • (2)テストのプロセス改善
  • (3)10Xメンバーのソフトウェア品質・テストに関する知識の向上

この3つについて次にかんたんに説明していきます。

1つ目は「データの可視化と分析」

さまざまなデータを可視化し分析できるようにして、改善サイクルをまわせるようにすることは重要です。 まずデータの可視化ができるように整備するところからになりますが、最初のターゲットとしてバグチケットに対して可視化を進めています。

現在、バグチケットはテストフェーズに限らずみつけた時点で起票しているもののその情報を活用できる状態にはなっていません。 そこでバグチケットに記入するべき内容の整理や起票後のフローを整えたりと少しずつ進めています。

2つ目は「テストのプロセス改善」

当然ですが、今もリリースはし続けています。 目指している姿に進めつつも、守るべきところは守る必要があります。

上述したようにテストのプロセスはまだ整備しきれていない状況です。 そこで、現状のプロセスをドキュメントに起こしつつやるべきアクションを1つ1つリストアップして優先順位をつけています。

3つ目は「10Xメンバーのソフトウェア品質・テストに関する知識の向上」

目指すべき姿は全員で品質を作り込んでいくというのがあります。 そのために、10Xのメンバー全員が「ソフトウェア品質やソフトウェアテスト」にたいして知識をもっていることが望ましいです。

そこで、まず現状を把握するために10Xのメンバーに「ソフトウェア品質・ソフトウェアテスト」に関するアンケートを実施しました。 この結果をふまえて、社内勉強会などを予定しており準備を進めています。

この数ヶ月の間、QAに関わっていろいろと学んだ10Xのメンバーが数名います。 その方たちの姿を見て、私はこの目指す姿を達成できると思っています。

参考までに次の資料を見てもらえればと思います。

上述したことはまだ終わってませんし、それ以外にもまだまだやるべきことは多いです。 このような状況の中で「どのような人を求めているか」について次で説明したいと思います。

どのような人を求めているか

目指す姿を達成するために、なにをおこなう必要があるかを現状を把握しながら1つ1つやるべきことを進めていきます。 そのためには次のような人を求めています。

  • 目指す姿に対しての課題とそれに向けてのアプローチを周りを巻き込みながら推進できる
  • プロダクトに向き合ってリリースを支える」にはどうすればよいかを考えられる
  • 今のフェーズでなにをするべきかを自ら考えて動くことができる

また、今目指している姿が10Xとして最終的な姿ではあるとは思っていません。 さらにその先を一緒に考えることができればと思っています。

JDの更新をしました

今回、現状を踏まえた上でJDの更新をおこないました。 上記以外のスキル面など他のことについてはJDに記載しています。

今、公開しているJDは次の「QAエンジニア」と「SET」の2種類になります。

2種類に分けていますが、まだ立ち上げフェーズであるためそれぞれが得意としているスキルを活かしつつ、他のこともおこなえる範囲でおこなっていくこともあります。 そういうこともあり上記のJDには細かく明記してない箇所もありますが「テスト戦略、テスト観点、テスト設計」などを得意とする方も強く求めています。

おわりに

10XのQAの現状や今後についてかんたんに説明しました。 ここまで読んで10XのQAエンジニア/SETに興味を持っていただけたら嬉しいです。

また、今回書いた内容は執筆時点での状況になります。 10Xは日々変化しているので、現時点での状況をもっと詳しく聞きたいという場合は次からカジュアル面談に応募してもらえればと思います。 ぜひ、上記のような話(もちろんそれ以外でも)で盛り上がれればと思います。

是非、一緒に10Xをさらに伸ばしていきましょう。 応募をお待ちしています。